あまり、日本では報道されていませんが、シンガポールでは今、バングラデシュなどの貧困国から出稼ぎ労働者の人たちが大量にコロナに感染しています。昨日の942人の感染者の内、893人が労働者の寮が感染源でした。
昨日まで全体で累計5992人と急増しています。シンガポールってザクっというと日本の約20分の1です。だからすごい数なんです。だって淡路島くらいの大きさで570万人住んでるんです。このまま行くと、日本と同じくらいの感染者になるかもです。
この出稼ぎ労働者の人たちは寮に住んでいるのですが、とても劣悪な環境のようです。
まあ1部屋に10-20人が寝泊まりして、共同トイレ、共同シャワーで、換気扇も小さいのがあるだけです。
まあ、3密の典型的な場所です。ここで今、感染が起こっています。
問題なのは、この人たちがシンガポールの基礎的社会活動を支えているのです。
ゴミの収集、公園の掃除、港での荷下ろしなど社会生活になくてはならない仕事をしてもらっているのです。
しかも低賃金で。
シンガポール人はこの状況をどう見ているのでしょう?
報道では、労働者を批判する動きもあるように報じていますが、政府は彼らの社会への貢献を讃え、なんとかこれを鎮圧しようとしています。
やはりシンガポールって、人種差別、格差社会を基盤にした自由貿易国なんだなあと改めて感じました。
シンガポールで日本人が働こうとするとEPというビザが必要ですが、これには厳しい審査があり、ある程度の大学を出ていないと、特殊資格や技能がなければ、なかなかビザがおりません。
でもこの労働者の人たちはいわゆる安い賃金で働くために許可されたビザで来ています。
日本だと、今東南アジアからの労働者受け入れを規制緩和して行なっていますが、それに近いかもしれません。
でも明らかに賃金は日本の制度よりも低いです。しかもシンガポールには数十万のこういう労働者がいるのです。
詳しくはこちらを見てください。
https://www.scmp.com/week-asia/explained/article/3080466/how-did-migrant-worker-dormitories-become-singapores-biggest
日本もこれから東南アジアからの移民、労働者を受け入れるべきだと私は思いますが、シンガポールのようになってはいけないと思います。
でも経済的にはこれがベストだったんでしょう。格差社会の縮図みたいなもんです。
シンガポール人は守られていて、バングラデシュの人は守られない。江戸時代の士農工商みたいなもんです。
アフターコロナの世界では、この経済優先の社会ではなく、人を優先できる社会を作る絶好のチャンスかもしれません。
でも、今、会社の中にいる人、経営者でこれをできる人はいないだろうな、特にサラリーマン経営者じゃね。
私も今は、やめたから偉そうに言ってますけど、やめてなかったら、投資家、株主、従業員、お取引先を守ることが第一だなんて言ってると思います。
やっぱり、会社辞めて良かったです!