ストレス発散消費の本命はやはりワンランク上のお家消費
今年の夏休みはコロナ禍でどこにも行かない人が多いだろう。
テレビでは都内でも自然を感じられる奥多摩などにいく人の様子が伝えられている。しかし多くの東京人は過去最高の感染者数が報道される中、お家でなんとかストレスを発散したいと思っている。
そして大事なのは、そういう人たちはお金があるということだ。帰省や旅行用に考えていたお金は使わずに残っている。
普通ならファッションや時計、アクセサリーなどに消費は向かうが、今、外出の機会が極端に減っている中ではそういう人に見せるものは需要が少ない。また美味しいお店巡りも今は躊躇してしまう。
とすると、家で楽しむものに少し贅沢したくなるのが心理だろう。
私も先日炊飯器を買い替えたが、これまでよりもワンランク上のものを購入した。しかし3万円クラスだった。炊飯器には10万円前後のプレミアムクラスもある。しかし、この10万円クラスと3万円クラスでどれだけの違いがあるのかがわからない。私もそこまで出す意味が分からずに売れ筋ランクの商品を買った。
ここがマーケティングポイントのように思える。
今はどうしても安くて良いものをという流れでマーケティングが行われているが、10万円の炊飯器の凄さ、美味しさを伝えることができれば、この10万円を支払うことのできる家庭は今、たくさんあるはずだ。でもその生活提案ができていない。その気にさせることができていない。結局3万円クラスを安く提案することに終始しているようだ。
ジャパネットは10万円の炊飯器を売るべきだ!
昔、流行った一点豪華主義のような売り方が今の時代にはぴったりだと感じる。
コーヒー豆だって、いつもの安い豆ではなく、希少性の高い100グラム3000円の最高級豆とサイフォンかドリップを使うことで至福の一杯をお家で楽しむという提案ができるはずだ。特にレストラン、名店の味を家庭で愉しには器も大事だ。
http://shop.hanaken.co.jp/shopbrand/ct23/?fbclid=IwAR09VxQJjPeRDFxOF5cyDm5482y70qY-9TsoOfvCFJdR915jtGEDn5OoBYA
このラーメン店の通販商品の凄いところは、ラーメンをお店そのままの盛り付けで急速冷凍し、ラーメン鉢もお店のものを届けるので、お家では冷凍になったラーメンをラーメン鉢に入れてレンジでチンするだけで、お店のラーメンが出前されたように食べられるというものだ。
ウーバーイーツや出前館などのデリバリーが人気だが、それはマーケットが東京23区内にほぼほぼ限られてしまう。しかしこのような冷凍宅配ならほぼ日本全国にマーケットが広がる。
大事なのは、このお店から出前をしたような感覚だ。ウーバーイーツでも器は回収の必要のないペーパー容器がほとんどで、お店で食べてる感じがしない。
食は5感で感じて食べるものだ。目で見て、肌で熱を感じ、鼻で匂いを嗅ぎ、耳で音を聞き、そして舌で味わうものだ。
お店からの出前感覚で食べる究極はシェフがお家に訪問して料理をするものだが、これは採算的には厳しいし、名店のシェフは中々来てもらえない。
チキンラーメンでも器がチキンラーメン用の器の方が美味しく感じられるはずだ。なぜそういうものを日清食品は発売しないのだろう?これからのレストランは、お店で提供する料理、器、雰囲気全体をいかに家庭に届けられるかが勝負になるような気がする。
例えば、料亭の作るお弁当は本当に綺麗で美しいし、美味しい。だから5000円でも出したいと思うのだ。
料理が美味しければ良いという時代は過ぎ、また器もオリジナル性が求められるだろう。
こう考えると、お家を起点にしたワンランク上のプチ贅沢消費はもっとあるように感じる。
まだ最低半年はこのコロナ禍の状態が続く。ストレス発散に向けた商品、生活提案には色々とありそうだ。