あなたの顧客は誰か?顧客にとっての価値は何か?
あけましておめでとうございます!
今年こそ、世界が再び落ち着きを取り戻せることを心から願う。
がんばれワクチン!
さて新年初めてのブログはやはり原点に戻ろう。
私が大学に入り、マーケティングを勉強し始めてからの先生となるコトラーの最近の発言に注目したい。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK244N00U0A221C2000000
これは日本経済新聞の記事だが、この中でコトラーはドラッカーの言葉の中で、大きな影響を受けた企業に対する4つの質問をあげている。
(1)あなたの会社にとって最も重要なビジネスは何か
(2)あなたの顧客は誰か
(3)あなたの顧客が価値を見いだしているのは何か
(4)あなたが最も重要なビジネスにすべきなのは何か
この中で私が重要だと感じるのは、
(2)あなたの顧客は誰か
(3)あなたの顧客が価値を見いだしているのは何か
だ。
これは今の企業が自らに問うべき質問であろう。
まず、企業としてコロナ前とコロナ後で顧客ターゲットを変えないといけなくなったのかどうかである。
例えば、大きな打撃を受けた飲食業、ホテル、小売業の中で、中国人をメインターゲットにしてきたホテルなどは大きく変わったはずだ。そういうホテルはターゲットを見直し、星野リゾートが目指している国内需要の掘り起こし、つまり、外国人から日本人、そして地元の人々へとターゲットを変えざるをえなかった。
しかし、ターミナル立地の居酒屋、レストランはもう誰も店にきてくれない状態が続き、誰をターゲットにすれば良いのか途方にくれただろう。しかし、一部のレストランはデリバリー、テイクアウトなどで周辺の住民、会社勤務者にシフトした。
まず、大事なのはどんな状況でもまず自分の顧客をしっかりと見極めることだ。
そして、その顧客が今、感じていること、ニーズ、ウオンツ、困り事は何かを考え尽くすことに尽きる。
それが2番目の顧客が何に価値を見出すのかである。
例えば、富裕層を相手にしている企業を想定しよう。
富裕層だけでなく、多くの日本人がこれまで年末年始に海外旅行に出かけてきた。しかし今回は誰も海外旅行にいけなくなった。では彼らにとっての年末海外旅行の価値は何だったのだろう?
単なる旅行とは違い、海外に行くことでの非日常性と同時にそこでしか体験できない時間を過ごしたかったのではないか。だとすると、旅行の代わりに高級ブランドのお洋服やバッグではその価値は獲ることはできない。
意外に、シェフを自宅に呼んでディナーを楽しむとか、高級キャンピングカーを借りて、サポート付きの小旅行を楽しむなど、今までにない体験ならお金出したいと思うのだろう。
コロナだからこそ、家族での時間でいかに非日常の体験を作り出せるかを考えるべきだろう。これは小売店なら、取引先の工房や工場に直接家族単位で招待して、プライベートな雰囲気で楽しんでもらえるようにするということかもしれないし、百貨店ならあるフロアを時間単位で貸し切りにするというのもあるかもしれない。
飲食店、レストランでも、そこでのイベント体験が重要ではないだろうか?
大体、夜営業がメインのお店では、昼間の営業をしていなかったりする。
しかし、その時間、特に午前中なら、主婦に向けたクッキング教室やカルチャースクールの場所になる。
自らをレストランビジネスと決めつけるから、そういう発想は生まれてこない。
自分たちのビジネスをお客様を楽しませるエンターテイメント空間提供業と再定義すれば、持っている空間やキッチンなどを使っていろんなことができるはずだ。
その時に大切なのが、顧客を変えないといけないということ。
これまでの、サラリーマン、地元の若い人を顧客にしてきた居酒屋さんなら、思い切って顧客を変えないといけない。それがなかなかできないのだ。。
以前に串カツ田中がファミリー層までをターゲットにすることで、アルコール飲料の売上は落ちても全体の売上をアップさせたことがある。
今回のコロナではそういう延長線上の顧客拡大ではなく、全く違う顧客を掴むことを考えることも必要だ。
ホテルなどは良い例だ。泊まってもらうことを基本にするのではなく、ホテルで遊ぶ、学ぶなどをテーマに考えるべきだ。
こう考えてくると色々なアイデアが生まれてくるはずだ。
大事なのはコトラーもいう、ドラッカーの基本であり、ビジネスの原点だ。
デジタル時代になってもそれは変わらない。