セカンドキャリアとしての顧問業とは
昨日、久しぶりに登録していた顧問を紹介する会社から電話があった。
地方の百貨店からの依頼で相当経営が厳しいとのこと。そして、支援をしている銀行がこの顧問の会社に食品のテナントを入れ替えたいので、テナントを紹介できる百貨店OBが欲しいととこのことで、色んな人に声をかけているとのことであった。
顧問先の会社には今回はお役に立てそうにないとお断りをし、電話を切った。
そして、思った。いったい自分の価値はなんだろうと。
顧問を紹介する会社といえば、聞こえはいいが結局は新しいテナントの紹介や新しい営業先の紹介などの仕事がほとんどだ。
私自身、自分の人脈はこういった営業では使いたくないと思っている。だからこういう会社に登録すること自体が間違っていたのかもしれない。
私は顧問とは、これまで培ってきた経営センスや知識、経験を新しい事業やプロジェクトに生かすために役立つものだと思っているが、なかなかそういう仕事はない。特にシニアとみなされる60歳以上には厳しい。
しかし、60歳でも70歳でも常に自己研鑽をし、情報のキャッチアップをっていれば、年は関係ないのだ。
でも今のデータベースには年齢は全て同じグルーピングになっているように思う。
一部の政治家、専門家、芸能人などが70歳になっても第1線で活躍している。
また中小企業に目を向ければ、いくらでも70歳の現役バリバリの経営者はいる。
なのに、今の人材派遣やベンチャー企業などではそういう認識を持っているところが少ないように感じる。やはりターゲットは大企業に勤めてきたサラリーマンが多いからだろう。
自らがどう自分の価値を創造していくのかは、自分自身でしかできないが、やはり長年サラリーマンをやってきた人たちには厳しい現実がある。
私もそうだったが、使いものにならないプライドがこびりついているのだ。私はありがたいことにこの2年で相当削ぎ落とされてきた。でもまだまだ残っていると思う。
自分のできること、自分に求められていること、自分のやりたいことを一致させるためには、やはりさらに自分を磨くことが必要だ。謙虚に自分を見つめ直すことができるかどうかだ。
昨日、近くのスーパーに行った時に70歳前後の男性に出会った。奥さんと一緒だが、買い物のカゴも持たず、ただ、奥さんの周りをウロウロしているだけ。しかし見るからに自分は偉かったんだぞというようなオーラが出まくっていた。身なりもスーパーに来るのに似合わないなんともいえない格好をしてる。だが、品は正直なかった。
私が通路を横切ろうとすると、通路の真ん中に彼がいたので、少し待っていたが、全く人に気を使う様子もなく、商品を見ていた。結局奥さんが促して、通ることが出来た。
次の人生はいつからでも遅くはないと言われる。
多くのシニアには昔のプライドだけを振り回すような生活はしないでいてほしい。
苦しみの中から何か新しいものが生まれてくる。それを信じて自己研鑽に励みたい。