リセットする力

シンガポールで知り合った友人からメールで「コロナを機会に人生と見つめ直す時間にします」と。まあここまでは普通なんですが、「それで私、2022年に世界一周計画を立てることにしました」と。
私はガツーンときました。
いやあ、想像もしなかったなあと。確かにそういう考え方があるなと。
これって、人生のリセットですよね。彼女は決して若くはないんですが、本当にパワフルで前向きだなあと。人生の行き方を勉強させてもらいました。

一方で飲食店などを経営している友人は現在の状況を嘆きながらも、常に前を向いていて、新しいメニュー開発や、6月からの販促メニューを検討しています。でも実際はこの数ヶ月の資金繰りで頭の中はいっぱいなんだろうなと。
でも、彼の中では今をリセットしようとしているんです。

このように、人にはリセットする力があるんです。でもそれをうまくできないでいる人もいます。
その違いは何でしょうか?
経済学用語にサンクコストという考えがあります。これは簡単にいうと、ある目的のために費やしてきた時間、お金を勿体無いと思うあまり、この先うまく行かないと思っていても、中々スパッとやめれずにズルズルとそのままの状態でやってしまうことを言います。
東京オリンピックなんて完全にサンクコスト化してますね。
莫大なコストと時間をかけているので、今、これを中止するとなると連鎖倒産がすごいことになるから、絶対に中止にはできないと。でも来年に延期するだけでも、悪影響を受ける人はすでにいっぱいいます。もし、これで来年もオリンピックがコロナ収束が全世界で終わらなかったらどうなるんでしょう?
政府はある意味、ギャンブル的に1年延期させてますね。誰かが言ってましたが、オリンピック前にワクチンが開発されなければ、多分開催はできないだろうと。

まあ、オリンピックをリセットする力を持っている人は日本にはいないというのが今の現実なんでしょう。様々な関係者がいて、これまでに投資したお金を無駄にせず、そしてアスリートの気持ちもくみながら、軟着陸させるというのは難しいです。これこそ政治決断しかない。間違いなく、批判されます。
これができる人は世界ではトランプさんぐらいかも知れませんね。

さて、リセットする力に必要なのは、いかにサンクコスト、個人で言えば、それまでの成功体験、努力、プライド、自信などを捨てるのではなく、一旦ゼロとして考える力です。
例えるなら、車のトリップメーターを5万キロだったのを、ゼロにしてこれまで走ってきたことを忘れることです。まあそうは言っても完全に忘れることはできません。でも、そうすることで新しい知識や経験を再度自分の頭の中に入れるスペースを作ることなんだと。

私もシンガポールに移り住んだことで、これまでには知り合えなかった人に出会うことができました。私はシンガポールで人生をリセットしたんです。でもリセットすることは自分一人でできたとしても、それを持続させるには仲間の力が必要かと。それは家族であり、昔からの友人であり、そして新しく出来た友人です。このような仲間がいてこそ、リセットが継続できるんです。減量みたいなもんですね。一旦痩せても、仲間のあと押しないがないとすぐにリバウンドする人かな。
私も、時々リバウンドしてリセット前の自分を思い出したりしてしまいます。でもリセットするチカラを仲間からもらい、だんだんとそういうことも少なくなってきました。
私はリセットする力の溢れている友人を見習って、いつでもリセットできる人間でありたいと思っています。

皆さんも、今こそリセットしてみませんか!!


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