大型家電は活況だが、車や百貨店は不振の意味するものは「言い訳できるストレス発散消費」だ
昨日の日経ではボーナスが減る中で、大型家電がよく売れており、リベンジ消費と報道されていた。高級な家電製品を求める若者などで賑わっているようだ。
アメリカや中国でもリベンジ消費として5月の小売の急回復を伝えている。アメリカではアパレル、家具、スポーツ用品の伸びが大きかったようだ。
一方で車や百貨店での動きは鈍い、特にアパレルの動きが悪い。これは顧客が消費を抑えようとしている現れなのだろうか。
私は全体として消費力そのものは落ちていないと考える。確かにコロナの影響で多くの人が職を失ったり、厳しい生活を余儀なくされているのが報道されているが、もともと、車、百貨店などの耐久消費財を買っているメインの層は中流階級であり、今の段階で中間層にコロナによる経済的ダメージが直接は及んでいないと考えらる。ただ、前回も話したが、このままだと多くの企業が連鎖的に苦境に陥り、中間層にまで失業が現実のものとなるだろう。
今、消費者、特に中流層以上は外出を控え、家でできるだけ過ごしている。だからお金は使っていない。しかしそんなに収入は減っていない。また国から10万円の給付金をもらった。結論として貯金は増えているのである。
だが、この先が見通せないので、使うべきかどうかを悩んでいる。これが実態だ。
今は家での生活が今はメインだ。だからこそ、家での生活に必要なものを買いかえることは罪悪感はない。家電は必需品なのだ。必要なものだから、冷蔵庫を買いかえる、でも少し良いモノにしたい。お金はある。だから思い切って高級家電にしてしまう。
私は高級家電はリベンジ消費ではないと考える。こういう時でもお金を使うことに罪悪感を覚えずに大金を出して、ストレス発散のために高級家電を買うという、「自分に言い訳のできるストレス発散消費」だと感じる。
こう考えると、今売れているモノの動きがわかりやすい。
家で必要な高級家電、健康のためのサプリ、健康器具、ウエア、料理をするための高級食材、ホームワーク用のパソコン関連商品などだ。高くても今、必要なんだからとなればお金は出す。医療機関でお金を払うのに罪悪感を持たないのと同じだ。
一方で、車はどうだろうか。もし今後の災難避難のために家の充電につい買える電気自動車なら、自分に言い訳できる消費にならないだろうか。高性能の電気自転車がよく売れているのもうなづける。通勤のために自転車を買うことには何の罪悪感もない。
今の消費者は自分に言い訳できるかどうかがポイントなのだ。
消費者はお金は持っている。でも使う気分にならない。使うのが怖いのだ。だから若者は投資を始めたりしている。
企業が今考えるべきことは、消費者が自分に言い訳でのできる商品、サービスをどう提案するかだ。
レストランでも、免疫力の高い食材などを中心にしたメニューの開発などをすることで外食をすることに自分で言い訳ができるのだ。
みんな、ストレス発散で遊びたい、パーっとお金を使いたい、美味しいモノも食べたいのだ。でもそれには言い訳が必要だ。