アメリカのちょっと行き過ぎてる小売り競争
先週、アメリカの小売り業界でのDXについてオンラインセミナーに参加した。
在米の日本人アナリストの方がザクっと今の小売り業界のDXの動きを説明していたが、タイトルにもある配達時間競争は本当にちょっと的外れだなあと感じた。
確かにコロナ禍でECの売り上げが伸び、それに伴って配達競争も激化してきた。しかし注文を受けてから30分以内にお届けするのもすごいと思っていたら、いまや15分で届けるというのが出てきていて、熾烈な争いになっているという。
中国でもネットスーパーが1時間ではなく、30分、15分とドンドン配達時間を短くしている。
しかしコレって、本当に顧客のウオンツなの?それってESG経営につながっているのと思いたくなる。
デジタルの力で需要予測が進み、在庫の適正化ができ、また配達経路をAIで分析することで配達時間を短縮することはできる。でもそこまでして早く届けることに何のベネフィットを顧客にもたらすのだろうか?
「過ぎたるは及ばざるが如し」になっていないだろうか?
結局若者がゲーム感覚でデリバリーゲームを楽しんでいるように思えてならない。特にデジタルの世界では若者が中心であり、そのニーズ、ウオンツの中でビジネスモデルが作られている。
でも、大事なことは顧客は誰なのか?だ。
小売業でも今、DXの流れで経営の世代交代が求められている。確かにコレは大事だ。しかし、その企業の本当のコア顧客は誰で?その顧客が求めているのは何かをまず知ること。そしてそれを満足させるための手段としてDXをどう使うかを考えることが大切だ。
だからこそ、経営でも老壮青のバランスが大切なのかもしれない。
やりすぎだよ、15分配達。すごいけど経費の無駄にしか過ぎない・・・
リニア新幹線もいらないでしょ。