オンワード樫山とZOZOの提携が意味するものは

大量の失業者が出る予兆

昨日の新聞報道でオンワード樫山とZOZOとの提携が発表された。記事の中でこう書かれている。
オンワードは2020年3~5月期の最終損益は24億円の赤字(前年同期は16億円の黒字)に転落した。店舗数はこの2年間でほぼ半減の1600店舗になる見通しで、利用が伸びる電子商取引(EC)の強化は喫緊の課題だった。自前で利用者を増やすには限界があり、年間800万人の顧客を持つZOZOとの連携で集客力を高める。

この中で注目は今後2年間で1600店舗の店がなくなるということだ。これはオンワードだけの問題ではない。他のアパレルメーカーも同じ状況であり、三陽商会やワールドも同じ動きをするだろう。
そうなると全国で今後少なくとも5000店舗以上のアパレルのお店がなくなるということだ。
この秋から、噂では駅ビル、百貨店、ショッピングセンターからの大量退店が起きると囁かれている。
アパレルとしては、販売チャネルの拠点を店舗からネットに移行することで、生き残りを目指すのは当然である。

これまでの駅ビルや百貨店のドル箱はアパレルショップである。粗利益の高いアパレルが高い家賃、益率で入店してくいれた。食品、サービス業は人気があっても収益的には低い。だからこそ、オンワードと百貨店との蜜月は続いてきたのだ。
しかしコロナの影響で人が店舗に来なくなることで、店舗の販売チャネルとしての優位性が崩れてしまった。アパレルは生き残りのために退店せざるをえない。しかし、駅ビルなどはその代わりを見つけることは今の段階では厳しい。
恐らく、売り場を全て埋めるのが難しいのではないかと予想される。

ではどうなるのか。まずアパレル販売員の解雇が始まる。まずはアルバイトから、そして契約社員、そして正社員へと連鎖が広がる。その後、収益の落ちる駅ビル、百貨店は経費削減のために人件費の削減に向かう。これも同じく、アルバイトから正社員へと続く。

都心の店舗に人が集まらなくなれば、その店舗の価値は下がる。とすれば、家賃も下げなければいけない。しかし今の状況では多少の家賃を下げても、入居したい店は少ない。誰しもリアル店舗よりもネット販売に力を注ぐのが当たり前だ。

また、働く人たちも都心で恐怖と向き合いながら仕事をするよりも、郊外の安全な場所からテレワークで過ごしたいと思い始めている。そうすると人々は都心にはもう今のようには集まらない。消費はこれまでのように都心に集中することなく、ネットと郊外に移っていくだろう。
アマゾンは過去最高の株価を付けて急成長してつづけ、ニトリ、ワークマンなどがネット、郊外店舗で人気を集めている。

では、駅ビルや百貨店はどうすれば良いのか?
もともと、百貨店は少し贅沢をしたいという人をターゲットにハレのオケージョンに向けた商品に強かった。特に冠婚葬祭などや誕生日などの特別の日に使う、ラグジュアリーなお洋服、雑貨などで収益をあげてきた。
しかしそういうオケージョンニーズそのものが今、減ってきている。
例えば、婚約、結納、結婚式、両家の引き合わせなどでは色々な商品ニーズが生まれるが、それらが簡素化してしまい、改まった服などいらなくなっている。結婚式でフォーマルスーツを着ている若い男性は非常に少ない。

こういう中でも、人が集中的に集まる場所ではまだまだマーケットはあった。
しかし、これが郊外となるとマーケットが小さくなり、高級品マーケットは非常に小さくなり事業としては成立しない。
私の経験でも、郊外の地域ではデパ地下を主体にしたミニ百貨店は上手くいかなかった。都心でも三越恵比寿店も閉店になると聞く。
人が郊外に分散する中で、郊外での高級品マーケットの展開は成立しない。また、ちょっとハレの感覚の食料品も成立しない。

しかし、そうは言っても、ハレの消費をしたい人はいるし、その数自体は全国レベルで見れば、まだ減っていない。分散したに過ぎない。
ではその分散した消費者をどう集めるのか。それはまずはネットしかない。しかし、彼らを満足させる高級マーケットのオンラインサイトは存在していないのではないか。

確かにルミネ、マルイ、各百貨店がオンラインサイトを展開している。しかしそこのブランドとして際立つものがあるだろうか。ここで買うとアマゾンや楽天とは違う興奮、ワオと思えるものがあるだろうか。
サイトの構成、展開商品など全てにおいて、ブランドとしての完成度が低い。
思えば、店づくりを長年してきた私の目からすると、お店の改装には何億ものお金を毎年改装工事に費やしているのに、サイト制作、運営などにはあまりにもお金をかけないできた。またブランディングもしっかりとできなかった。

ZOZOの方がひょっとすると、百貨店のサイトで買うよりも高級感があるかもしれない。
結局、全てのお客様を気にするあまり、一般的で個性のない表現、ブランドでしかないのが今の百貨店と言える。

しかし、今問題なのは、この大量閉店により生み出される失業者をどう対応するかが一番である。
IT業界への転職というのは、若い世代であればまだ考えられるが、中高年では厳しい。

ヒントは郊外にある。なぜならマーケットが生まれるからだ。人が動くところにマーケットは生まれる。しかしそれは大きくはない。小さなマーケットを囲い込んでいくマーケティング戦略が必要だ。
私の住む、真鶴には東京から移住してきた若い夫婦が経営する、美味しいパン屋さんとピザ屋さんがある。どちらも繁盛している。これは一つのヒントと言える。
失業した中高年が都心でタクシーになるもの厳しいのが今のコロナ禍だ。

都心で活路を産むことを考えてはいけない。これからは郊外、田舎だ。ポイントはどこに人が動くかだ。そこにチャンスがある。

消費そのものは決してなくならない。分散するだけだ。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です