IT技術は戦略に従う。大事なのは顧客の気持ちにいかに立つかどうかだ!
先週、ようやくコトラーのマーケティング5.0が届いた。
正直なところ、これまでの要約などをオンラインで見ていて、あまり期待していなかった。
特にこれまでに使われていた、図やチャートが難解でとても見るに耐えなかった。
このサイトで要約されているが、やはり本書を読んだ方が理解できる。
https://www.pkmarketing.jp/articles/marketing50_01
予想に反して、本文はいたってわかりやすく、英語もシンプルで私が3日間で200ページを結構ストレスなくすっと読み終えることが出来た。
さすが、コトラーマーケティングの真髄と読み終えて感じた。
この本は多分、日本語版がもうすぐ出るだろう。そしてヒットは間違いない。
この本で貫かれているのは、マーケティングは顧客をしっかりと見つめ、顧客の声を聞き、それにどう対応していくかだということに尽きるということだと思う。
残寝ながら、上記のサイトではそういう結論になっていないが(悲)
IT技術が進み、人間の理解を超えたところで色々な情報が手に入ることになった。また、コロナによって人々の生活は一変し、新しい生活様式が定着し始めている。
しかし、大事なのはお客様一人一人がどう感じ、何を求めているのか、そして何に満足を感じるのかをしっかりと人の視点から見つめることだと感じた。
本著では顧客分類をアメリカの分類を使っており、ベビーブーマー、ジェネレーションX,ジェネレーションY、ジェネレーションZ、ジェネレーションAlpha に分類されている。そしてその世代ごとの特徴をきちんと説明している。
これまでの消費の主役はベビーブーマーであった。そして、今は生まれた時から携帯電話、インターネットが当たり前のジェネレーションZ,Alphaが消費のトレンドを作り出しているのだ。
私はベビーブーマー世代であり、もうメインの消費者でなくなりつつある。しかし、まだまだ若い連中には負けないと思っており、自分も若い世代のトレンドについていこうとしている。
しかし、もうそれは無理だなと本書を読んで感じた。
生まれた時から携帯電話があり、ネットが常に繋がっている世代の感覚は自分には絶対分からないと思わなければいけない。そして、彼らの価値観、人生観をもとにした時にどんな生活が求められているのかをしっかりと予想しないといけないのだ。
それには自分の経験、価値観を捨て去る必要がある。特に技術の急激な進歩が世代間のギャップを大きくしているのだ。
しかし、マーケティングの手法は使うツールは変わろうと、原理原則は同じである。だからコトラーは今でも尊敬されているし、私の経験、価値もまだあるのだろうとホットした。
しかし、その戦術や手法は大きく変わってきた。本著でもAIを使っていかに予測を正確にするかを説明している。ここで大事なのは、全てを機械、AIに頼る訳ではないということだ。
本著ではチェスのAIとプロの対戦の話が出ているが、将棋の世界でも同じことが言える。
私たちの世代の天才ヒーローは羽生善治だった。彼は自分の脳をコンピューターとして、多くの仮説を立てながら相手を倒してきた。
しかし藤井聡太は違う。彼はAIの頭脳をうまく使いながら、最終的な決断は自分が下すというスタイルだと私には見える。AIのいいところを使いながらも、独創的な発想やアイデアはAIよりも人間の方がまだまだ上なのだ。
また次の機会にマーケティング5.0の話をしたいとは思うが、まず今、マーケターに大切なのは、顧客の世代分析をしっかりと行い、その特徴をしっかりと把握することだと感じる。
今回、マーケティング5.0でここまで丁寧に世代分析をしているとは夢にも思わなかった。しかし、それがまず基本の基と改めて思った。
「組織は戦略に従う」という経営の名言があるが「IT技術も戦略従う」のだ。
そして、戦略は顧客分析から始まるのだ。
この本が今のIT技術にばかりに目が向いているマーケティングの世界に一石を投じて欲しい!!
しかし、図とかチャートは本当にわかりにくい!