アメリカの百貨店から見る、リアルとオンラインの融合

Macy’s、Saksに見るリアル店舗中心の小売業の今後

オンライン部門を店舗事業から切り離すことで株価を上げたMacyデパート

今回のRobin Reportではサックスフィフスアベニューに引き続き、メーシーもこれまでの実店舗での販売とオンライン販売を統合させるこれまでの動きをやめてオンライン事業は店舗事業から切り離すことを取り上げている。

レポートでは懐疑的にこの動きを捉えているが、私には至極当然の動きに見える。
この筆者もいまいち、小売の現場を理解していないのかと疑問に思ってしまった。


というのも、今の小売ビジネスの基本はお客様の特定と商品の特定をした上での売買が基本であるということだ。

これにより、誰がいつ、どこで、何をどのように買ったかを個人の特定と商品の特定ができるレベルでないと、今後の商品提案や、購買履歴の分析ができないからである。

これをAmazonのようなオンラン販売では完全に把握できる仕組みになっている。

しかし、これまでの小売業、百貨店やスーパーでは現金販売が中心であり、POSレジでも個別単品レベルまで売り上げを把握するという基本設計ではなかった。
昔は何が売れたかが重要であり、顧客はマス広告で商圏内から呼べば良いという考えだった。
システムもどうしても何が売れたのか、値段帯は、時間帯などというのが重要だったのだ。
それで十分だったということは、今思うとざっくりとした商売だったのだ。
結局、経験、勘、度胸での商売のレベルからは脱却できない仕組みの上で成り立ってきたのだ。

まして、今では百貨店でも自分で仕入れるのではなく、消化仕入れやテナント貸しという場所貸し業に舵を切っている。
これはこれで人件費の削減や効果的な売り場の活用といった面では理にかなっている。

しかしお客様との関係性においては、このいかなる場合でも個人の特定ができ、しかも買った商品が絶対単品レベルまで把握出来なければ、オンライン事業者と対峙して戦うことはできないのである。

Amazonが今、リアル店舗を拡大しようとしている。しかし、おそらく彼らの狙いはオンラインショッピングの延長線として、個人を特定できない現金販売はできないようにするだろう。事実、Amazon Goでは入店時にIDの確認をすることでキャッシュレス販売を可能にすることで、IDの取得とレジ経費の削減を同時に実現している。

今の日本の百貨店業界を見ると、やはりまだ自らでオンライン販売を実現して、リアル店舗との融合を図ろうとしているように思われる。

しかし私の経験でも、今の店舗事業を肯定した上で、テナント貸しを拡大する現状では、オンライン事業との統合は不可能であり、今回のMacyが判断した決断に従うべきではないかと思う。

丸井は百貨店ではないが、すでに自らでの販売を捨てて、カード事業を中心に個人の特定を強化しながら、商品の絶対単品レベルの把握をしようとしている。しかし、これも私に言わせると中途半端である。自社カードに頼るのではなく、アマゾンのようにオンラインでの販売による個人の特定がベースとすべきであり、自社カード会員の強化に走りすぎるのは危険ではないだろうか。
ルミネも同じようなことをしているが、店舗事業との統合は難しいように思われる。おそらくカードビジネスでの連携となるだろう。

百貨店でも自社カードの会員獲得にとても力を入れているが、今や、本当にそれだけの魅力を提供できるのであろうか?もっというと、そのために販売促進コストを積み上げ、ポイント経費の負担に耐えるために、本来の広告宣伝費を圧縮することは、夢を与えるブランドとしての百貨店のとるべき戦略なのだろうかと思ってしまう。

昔から、百貨店業界はアメリカ詣でといって、30年先をいくアメリカの百貨店を参考にしてきた歴史がある。
私も百貨店劇場論を熱心勉強したことを思い出す。

今こそ、アメリカの百貨店で何が起こっているのかを見るべきではないだろうか?

ぜひ百貨店経営者には安易なDX亡者に惑わされないことを祈る。

前にも紹介したが、下記の無料翻訳ソフトを使えば、英文記事は簡単に日本語で読むことができる。ぜひみなさん試してもらいたい。
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