ファッションレンタルビジネスはアフターコロナでどうなる?

Rent the Runwayの苦戦に見る顧客のライフスタイルの変化

今回のRobin ReportではファションレンタルビジネスのRent the Runwayの苦戦を伝えている。

Rent The Runway(RTR)はこれまでは定額月159ドルで好きなお洋服を借りることができるファッションレンタルビジネスだ。買うのではなく、流行のファッションを毎月変えることで、ストックしたくない若い世代のニーズやお財布にも優しく、環境にも優しいという時代の流れにあったビジネスとして脚光を浴びた。
事実、このマーケットはレポートにもあるように10年間で11億ドルから36億ドルマーケットにまで広がったのだ。

しかしコロナ禍になり、多くの不幸要因が重なった。
まずレンタルビジネスはワーキングウエアというよりも、メインはパーティウエアなどいつも着ない、または2回同じのを着たく無いという需要にフィットしていた。しかしこのパーティは消えてしまった。

また人の使ったものを使い回すことで感染リスクが高いことがブレーキになった。

さらにRTRで扱っているのはシャネル、エルメスのような最高級ラグジュアリーではなかった。いわゆるセカンダリーブランドであり、ワークウエア需要が減る中で大きく影響を受けたブランドと言える。

つまりコロナ禍でのライフスタイルの変化に全くついていけなかったのがRTRと言える。
そんな中で力を入れているのが中古品販売だ。借りて気に入った商品をそのまま買いたいという消費者ニーズに応えるものだ。

実際に私も米国のファッションレンタルビジネスに投資をした経験があるが、最初からファッションレンタルビジネスでの収益モデルのメインはレンタル商品の販売であった。毎回いろんな商品が送られてくる中で気に入ったお洋服を定価よりも安く買えるというのは消費者には魅力的であり、同時に事業としても収益性の高いものだった。

RTRではまず、パーティー需要のような2回は着たく無いものをレンタルするというところからのスタートであり、これはパーティーが多かった米国ならではのマーケットと言える。また女性のワーキングウエアとしてのワンピースやスーツなども毎月着替えたいというのも合理的であったのであろう。

しかしこうした需要がなくなってきた中では、値段を下げて対象顧客を広げて、リセールに力を入れていくしか無いということなのだろう。
しかし果たしてそれが今後うまくいくのだろうか?

私はそもそも、ファッションレンタルビジネスではそのブランド力が大きな鍵になると思っていた。ブランド力があり、なかなか手が出せないお洋服だからこそ、レンタルで借りてでも着てみたいというニーズが生まれる。
これは高級外車に一度は乗ってみたいというニーズと同じような気がする。

しかし今の若者は車には興味を示さない。当然ポルシェやベンツに乗りたいという願望もない。車よりもカッコいい自転車が欲しいのだ。
同じことがファッションの世界でも起きているのではないだろうか。もう別にシャネルに興味はないという若者が増えているのだ。

特にコロナ禍で環境問題が大きく取り上げられている中で、これまでのようにファッションビジネスは毎年トレンドを作りだしながら、毎年お洋服を買い換えないといけないと誰が思うのだろうか。

一方このレポートではラグジュアリーブランドのリセールを専門にしているReal Real との差を挙げている。
https://forbesjapan.com/articles/detail/43146

こちらは絶好調のようだ。これは扱っているブランドがシャネル、エルメス、グッチというラグジュアリーブランドである。しかも上記の記事によればZ世代にも好調とのことだ。

これは明らかな2極化消費の典型と言えるのかもしれない。数少ないラグジュアリーブランドのみが生き残り、その価値を意地できないセカンダリーブランドは消滅してしまうというのが現実のものになってきているのだろう。

しかし、ライフスタイルとしてパリのオートクチュールを頂点としたファッションデザインがプレタポルテ、既製ブランド、ファストファッションへと下に流れていくというような構造はもはやなくなりつつあるのかもしれない。

2極化消費の中で本当に限られた富裕層だけが楽しむファッションと一般人の楽しむファッションが明確になるかもしれない。

前澤さんの宇宙旅行こそ、今の富裕層の究極レジャーであり、一般人にはとても手が出ない。

逆にいうと、レンタルすることで富裕層の気分を味わうことを求める人はこれから少なくなるのかもしれない。

新しい価値観が生まれようとしていることは確かだ。

それにアジャストできる企業とできない企業の差は大きくなる。

最近の商業施設の改装、リニューアルをみていて、まだまだ東京で流行っているブランド、施設のコピー版を必死になって作ろうとしてる気がしてならない。もうその時代は終わっている。

先日大阪に行って、最新の百貨店のリニューアルをみたが、ちょっと残念だった。

食とリビングを差別化ポイントにしていて、一見すると面白そうだなと思ったが、ふと、これで儲かるのかなと。

まずはお客様に喜んでもらうことが一番なのだが、持続しなければ意味はない。
コロナで疲弊した商業施設の再開発、リニューアルはこれからどんどん進むだろう。
でも今の手法では絶対にうまくいかない。潰してマンション、いや老人ホームにしたほうが投資効率は上がる。

これが悲しい現実であり、個人投資家の端くれとしてそういう企業には早く退出してもらいたいと思う。


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