Z世代にはSDGSではなく、文化への貢献こそが百貨店の生きる道

儲けることよりも社会への貢献を重視するZ世代には百貨店は向いている

年始の日経新聞の記事を読んでいてZ世代に向けたマーケティングのヒントが掴めた気がした。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC14APU014122021000000/

Z世代の3割以上は社会課題の解決に貢献したいと思っている。地球温暖化、コロナなど彼らには将来は決してバラ色ではなく、不安しかないのであろう。
そういう時代になってきて、企業に求めるものはどんなことをしている会社なのかが大きなポイントなのだろう。昔は年収やブランドイメージが選択基準だったと思うが、今は転職が当たり前の時代。だから定年まで働くというのではなく、自分の専門性を高めながらも、自分として社会に貢献し、それに収入を得ることが大切なのだろう。

しかし、先月明治大学の大石先生の公開セミナーを聞いていて、先生が今のZ世代にSDGSは反応しないというお話を聞いた。
そこでは、単に会社として二酸化炭素の削減や電力使用の削減などの努力をしていることはあまり興味がないようだ。これはおそらく会社としてどう社会問題の解決に立ち向かうかという積極的な取り組みではなく、単にSDGSの目標達成に向けて数合わせをしている後ろ向きな取り組みに感じられるからだろう。

この点からすると、やはり企業は収益力を競うのではなく、どんな社会問題の解決を行うのか、どうやってそれを行うのかが大事になるのだろう。

これは百貨店のような収益力の低い小売企業には追い風だ。これまでは株主からの収益力への厳しいプレッシャーで、とにかく儲けること、稼ぐ力が問われてきた。

しかし、これからは企業としての存在意義をしっかりと主張することも大事ではないだろうか。

私は日本の百貨店の存在意義は日本文化の伝達者であるべきだと感じている。

今、日本の文化が見直されている。海外にいたときに茶道に多くの外国人が興味を持ち、いろんな話をしてほしいと言われた。
また着物もそうだし、和食器もそうだ。多くの外国人にとっては日本という国はとてもミステリアスな国なのかもしれない。

経済力でもう世界をリードできない日本はこれからは他にはない日本の文化をいかに守り、それを海外に届けていくかが大事ではないのだろうか。

百貨店は昔は日本の文化を守りながら、世界の優れた文化をいち早く日本に導入してそれを届ける役目をしてきた。

今こそ、日本文化の伝道者として百貨店は日本の伝統文化、芸能、着物、器などを守ることに力を注ぐべきだ。

Z世代にもこの動きはきっと支持されるに違いない。

温故知新という言葉がぴったりな2022年ではないだろうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です