海外では百貨店のM&Aは活発になっている。日本ももうすぐかも・・・・

タイのセントラルグループには要注意!

あまり知られていないが百貨店の国際的な集まりとしてIGDS(https://www.igds.org/)がある。以前の会社(Jフロントリテイリング株式会社)で当時の会長からIGDSへの加入の検討を指示されてから、もう8年近くになる。元々、百貨店というビジネスモデルにはスーパーマーケットとは違って規模の経済性というのはあまり効果がないと言われてきた。いわゆるPB商品などの展開、それをグローバルで展開するなどイオンが積極的に取り入れている手法だ。

百貨店、特に日本の百貨店は海外との百貨店との交流はほとんどないといっても良いだろう。ラグジュアリーブランドとの取引や海外商品の直接買い付けなどで海外出張は今でもあるだろうが、現地の百貨店との交流はお互いにメリットを感じなかったのが大きな理由だ。

このことから、日本の百貨店の経営層の国際化は大きく遅れたように感じる。
JFRがIGDSの会員となり始めて会員として国際大会に出席したが、やはり日本のステータスはとても低かった。

IGDSの出席者の多くがCEOであり、同族経営のトップが大半を占めていた。やはり海外で見ると百貨店ビジネスというのは同族、家族経営の会社が一般的だ。日本の百貨店も以前は同族経営だったが、今ではほとんどがサラリーマン社長になっている。

最近の日経の記事に登場するタイのセントラルグループも同族経営である。この記事はロンドンの名門百貨店セルフリッジがセントラルに完全に買収されたというものである。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGS194XT0Z10C22A8000000/

セントラルグループはコングロマリット企業であり、小売りだけでなく色々な産業を持っている。

わたしがいた当時は小売りグループのトップは今のトスのお姉さんがCEOとしてIGDSに参加していた。ティラティワット家のほとんどが米国で教育を受けている。
今のグループCEOのトスも高校生から米国で教育を受けており、息子も同じだ。

つまり、タイのセントラルは経営層は米国人とほぼ同じ環境で育っている。しかしやはりアジア人であり、みんな日本が大好きである。

IGDSの世界大会を日本で開いた時も、みんな日本に来るのが楽しみであった。大会は東京で行われてたが、すぐに彼らの多くは直島に観光に出かけていた。

そんなセントラルはこれまでイタリアのリナシェンテ、オランダ、ドイツの百貨店を買収している。私は一度聞いたことがある。

アジア人がイタリアの老舗百貨店を買収してどうやってうまく経営をすることができるのかと。

その時の答えはお互いの企業オーナーは古くからの信頼関係にあり、買収後もそこを大切にしながら経営しているので問題ないと。

考えて見ると、セントラルが買収してきた百貨店は全てIGDSの参加企業なのだ。

私はなるほどと思った。

普通はアジア人が欧州の百貨店を買収して経営しようとしても上手くいくはずがない。やはり人種差別というものは存在する。特にアジア、まだ先進国とは言えないタイの企業が欧州の老舗百貨店を次々と買収できるのにはそういう信頼関係があってこそ可能なのである。

今回のセルフリッジはロンドンでは地元に愛される百貨店として有名だ。

ロンドンにはハロッズという有名な百貨店がある。しかしこの百貨店は中東の富豪に買収され、いまや中東、中国人御用達の店となっている。地元民はハロッズには行かず、セルフリッジにいくといつも聞かされてきた。

しかし、今回タイの企業が買収したのである。
日本人の感覚だと、上手くいくの?と思いがちだが、先述した通り、セントラルの経営陣はアジア人ではあるが、感覚は米国人なのである。

こう考えるとこれからの日本の百貨店はセントラルにはどう写るのだろうか?

信頼関係のない企業を買収することはセントラルにはない。力づくで買収することはないだろう。

しかし、彼らの持つネットワーク、規模の経済性を考えるとそう遠くない将来に日本の百貨店が買収される可能性は否定できない。

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