マルイ のb8taについて想う

売らないお店を標榜するマルイのこれからの戦略は正しいけど中途半端かなと

昨日、新宿マルイ本店に久しぶりに行ってきた。シリコンバレーで見て面白かったb8taが日本に出店と聞き、見にいくしかないと。
でも結果は全然面白くなかった。なんとなく、シリコンバレーぽいけど、置いてある商品の大半は日本製でマクアケとかに出てる商品などやカインズが開発したホームグッズもあり、アメリカのお店とは全く違う感じだった。いわゆるとんがっているイメージは少なくて、一般受けする感じだった。

ついでにマルイの全館を上からざっと見た。以前にnewspicksでマルイの青井社長が仰っていた「売らないお店」づくりに興味があったからだ。
メルカリのお店ではいかにメルカリにスムースに出店するかを教えてくれていたりしていて、中高年のカップルが熱心に話を聞いていた。
しかし全体としては昔のイメージからは抜けきれずに、賃貸テナントをいかに集めるかに苦労している姿が見受けられた。
確かに1階にアップルストアがあり、その横にb8taとラインナップとしては今を追求している。

しかし、サンフランシスコ(シリコンバレー)でいうと、b8taは住宅地近くにある緑あふれる商業施設群の中にナパバレーのワイナリーのテースティングスポットの近くにある。そしてダウンタウンにある百貨店やショッピングモールではそういう雰囲気はなく、なかなか先進的なお店は入ってもらえなくて、やはりゴーストタウン化が始まっているように感じた。

マルイの取り組みはウエストフィールドショッピングセンターが必死になって若者を集めるためにシェアリングオフィスを誘致したりしているのと同じに見えた。

つまり、お店の世界観というのが伝わらないのだ。路面店はそのお店だけで完結するので、世界観を出しやすい。しかしショッピングモールや百貨店ではその世界観はお店が増えればどんどん出しにくい。
マルイはもう、百貨店の時代は終わり、新しい時代の小売業を目指していくと青井社長は述べられている。確かにその方向性は間違ってはいない。しかし、それが今のマルイ本館の姿だろうか。
私にはなんだか、ごちゃ混ぜになった体裁の悪いお弁当のように見えてならない。食べたら美味しいけど、美味しそうには見えないということかと。


確かに一つ一つは先進的なものや、今の若者受けするお店が並んでいるが、全体の館として何か特徴というか、魅力があるようには思えない。
そしてアップルストアにしてもb8taにしてもその規模は小さくて、なんとなくショールームというか展示会にいるような座り心地の悪さが先に出ているように思われる。

確かに収益を確保しながら新しいことに挑戦するのは本当に大変だ。損して得とれとは昔から小売の世界では言われるが、今のコロナの厳しい時期にそうそう挑戦もできない。
でも中途半端は一番いけないように想う。

今のマルイを一気に変貌させるのが難しいなら、違う場所で新しいこと(売らないお店)を展開すべきなのではないだろうか。
私なら、シリコンバレーに日本製ばかりのb8taみたいな店を出すかな。
売らない店なら、新宿になくてもいいのではないだろうか。

もうアメリカで見てきたものをいち早く日本で取り入れて紹介するというのは古いような気がする。日本の小売業はアメリカの10年遅れで進んでいると言われる時代はもう終わったように想う。青井社長!貴方ならできそうな気がします。今のシリコンバレー追随路線ではなく、独自路線をやりませんか?

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