ボーナス増額の一部企業と大半が減額の今年の消費
今年の年末商戦は厳しいというのが一般的だろう。
しかし一部の富裕層やIT企業などでコロナ禍でも所得を増やした人たちにとっては、お金の使い道が限られていて、それがバブリーな消費になっている感じがする。
百貨店でも外商のお客様の消費は活発であり、高級ブランドの売上はそんなに落ち込んでいないらしい。また高額のエステ商品も売れているし、現代アートなども好調のようである。
一般消費者向けでもおせち料理の売上が絶好調であり、巣篭もり消費の典型と言える。しかし実際のところ、百貨店にとってはそんなに儲からないビジネスがおせち料理でこのあたりが悲しい現実だ。
これらのことが、今の経済を反映しているのかといえば、決してそうではない。
多くの生活者はコロナで収入が減り、将来の雇用不安が重くのしかかっているように感じる。
多くの人は今後の将来のコロナ、雇用、経済などを不安に感じて、生活防衛に必死なのだ。
しかし、だからこそ私はそういう人たちに、苦しいときにこそ将来のことを考える知恵を政府が与えるべきではないかと感じる。
先週からワクチン接種が欧米で始まった。
これがどうなるかはわからないが、うまく行けば今が経済的には底となり、春以降に全世界でワクチン接種が本格化すると不安がさらに解消されて、ますます株や金融マーケットは高くなっていくことが考えられる。
だから、おそらく裕福な投資家はここからコロナでダメージを受けて低迷する企業の株式などを買いだすのではないかと筆者は考える。
この時期に株式に手をだすのは初心者には難しい。というのも、今は一見するとバブル期と同じようである。実体経済は疲弊しているのに、株価は高止まりしている。
これは政府、日銀の金融緩和策により、貨幣そのものの供給量が大きく増えているからだ。
つまり、前よりもたくさんのお金、貨幣がマーケットにあるということは経済学の理論からはモノの価値は上がるはずだ。しかし一般的なモノの値段はあまり上がらず、まだ値下げを続けている会社もある。
だからこそ、金融マーケットにお金が流れて、その価格が上がっているのだ。
ビットコインが良い例だ。多くの人はそのビットコインがなんであるかもわからずに今後上がりそうだということで購入している。確かにここ数ヶ月で倍ちかくに高騰している。
しかしこれが正しい風景なのかは誰にもわからないのだ。
だからまたバブル崩壊がやってくると多くの識者は予想している。
マーケットはみんなの人気が高まれば、上がっていくが、下がれば終わりだ。美人投票だと昔の経済書にも買いてあったが、儲ける人はみんなが気づく前に買って、みんなが買い始めて価格が上がると売る。そして、またみんなが売り出して価格が底を着いたと感じたら、また買い戻す。
至って簡単なことだが、これを冷静に出来る人は少ない。
今年3月の中旬に株価、債権が暴落したときに、しばらく底になるのを待って買える人は、まずその時点で資産を売って現金化しておかないといけなかったはずだ。
これが普通人にはなかなかできない。みなさんも思い出してほしい。4月の緊急事態宣言発令中に株式を買うということができただろうか。
ここに一部の人だけが儲かり、多くの人は損をする構図があるのだ。
これが金融投資で儲けようとする人の常識ではある。
これはいけないことなのだろうか。
意外にも、このような考えは欧米では一般的というか基本である。つまり投資というものを小さい頃から学ぶ環境にあるのだ。
中国人もこのような考え方を持っている。先日シンガポール人と話したら同じことを言っていた。ポイントは日本人は投資に対する知識があまりにも少なすぎるということだ。
金融投資はバクチとしてやってはいけない。毎日株価を見て売り買いをすることは難しい。
しかし、中長期的に投資をしていくのは知識があれば出来る。でも日本人はこれを悪だと考えている人も少なくない。もっと投資の勉強する必要がある。
しかし、今多くの人はそういう投資が出来る状況ではないだろう。
ならば、政府はもっとお金だけを配布するだけでなく、投資的に有望な企業の株式を投資する方法するを教えるのはどうだろう。10万あればもっと投資が出来る環境を作るべきではないだろうか。
アフリカの水が足りない地域に水を与えるのではなく、井戸の掘り方を教えるように。
これからの未来を考えても、子供達にはしっかりとした投資の知識を小さい時から教えることが必要だと感じる。
子供だけでなく、一般に人にも投資が当たり前になる時代がこないと、ますます所得の2極化は進むに違いない。