侘び寂びについて思う

来週のアメリカ人のグループにどう「わび、サビ」をお伝えすべきか

来週29日にアメリカ人のグループを松風庵にお迎えして夜咄風茶会、Night Tea party を開くことになりました。

その際に侘び茶の原点である、侘び、寂びをどうお伝えしようかと悩んでます。

私のお勧めの本「WABI SABI」には

侘びていることとは「人間を含めて全てのもの、自然は完全なもの、永遠のものはない。だから私たちはPerfectly Imperfectなんだと。」と説いている。

確かにそうだ。世の中には永遠の美は存在しないし、全てのものは必ず変化し朽ちていく。しかしそのこと自体を悲しむ必要はない。一つ一つの時間、存在に意味があり、価値があるのだ。

茶道では「一期一会」をよく使う。どんなお茶事でもお茶会でもそのイベントは一生に一回しかない。2度とやってくることはない。だからその一瞬のために一生懸命お客様のために頑張るのだと説いている。

茶道では満月よりも少し欠けている月の方を好む傾向がある。これも世に完全なる月は存在しないとの考えからだ。

日本には四季があり、1日1日季節を感じる行事やイベントが全国各地で開かれる。

これも時は常に変化し、自然も変化する。そして人間も変化する。だからこそ、過去や現在に囚われていてはいけないと。

このような話を面白おかしくお話しできたらなあと考える自分は詫びていないのかもしれない。

まだまだ、「吾れ唯、足るを知る」の境地には至らない日々です。

久しぶりの投稿!茶道とわびさび

シンプルに生活することと道具をたくさん持つことのジレンマ

久しぶりの投稿です。

今月末にアメリカ人のグループが松風庵で茶道体験をされるので、HPでもお勧めしている本「WABI SABI」を読み返していました。これは外国人から見た、日本の侘び寂びをどう自分たちの生活に取り入れるかの方法を書いています。

筆者のポイントはミニマリズム、物質主義からの脱却と自然と共に生きるということになります。

それを茶道と結びつけながら説明しています。千利休の作り上げた侘び茶を例にとりながら、いかに一服のお茶で客人に喜んでもらうかを考えることが大切であり、そのためにはおもてなしの心で全てをまとめることが必要と。

読んでいて、あー納得と思うのですが、いざ、普通のお茶の世界に戻るとどうしても季節の道具でお点前をしなければいけないので、色々とお道具を揃えないといけません。毎月、毎週でも道具揃えは季節感を大事にすると変えなくてはいけません。

そうするとあれも買わないとこれも欲しいとなる。そうするとどんどん道具が増える。気がつくと物質主義の塊になっている自分がいます。

茶道の本質は侘び茶であり、お客様にいかに喜んでいただけるか、そしてその喜ばせ方が道具ではなく、お点前やおもてなしの心であるべきなんだと思いながらも、そうはなっていない茶道の現実を感じています。

こんなこと、外国の方に説明しても分かりにくいなあと思いながら、道具は何にしようと悩んでおります。

昨日お茶会のお手伝いに行ってきたんですが、お茶会ってやはりお客様はどんなお道具がみれるのかと期待されてくるんです。だから席主もそれに応えないといけない。なんかそこから変えないと侘び茶にはならないなあと。

でも来年、お茶会の席主やることになったんですが、どうしても道具は頑張らないとと思ってしまうんです。

茶道の世界は難しいです。

雨の茶道具

これはなんだか分かりますか?
これは雨が降った時に使う茶道具です。
傘の代わりに使う藁でできた路地傘と雨に濡れないように高さのある下駄です。
これを使って路地を通り、つくばいで手を清めて、躙口から茶室に入ります。
雨が降らないとなかなか経験のできない道具ですが、松風庵ではこういうことも体験できます。

クリスマスとお茶

お茶の世界には当然クリスマスはないが、クリスマス柄のお茶碗などや小物を使ってお茶会をする方もいる。お茶の楽しみ方は人それぞれでいいのではないか。

我が家の二畳台目の小間ではクリスマス柄の茶碗は全く不釣り合いだ。やはり侘び茶の雰囲気を持つ空間にクリスマスは合わないのだろう。

先日のお茶のお稽古で使った高麗棚は利休の時代にはなかったと教わった。今の茶の世界には利休さんの時代にはなかった道具や式法がいっぱいある。

利休さんが今の時代に現れて、今のクリスマス柄の茶碗を見たらどういうおっしゃるのかなとふと思う朝。

外国人向けお茶体験ツアーについて思う

円安の今、値段設定で大きなギャップが発生!

12月1日よりついに湯河原の我が家で外国人向けお茶体験ツアーを始めることになった。
まだ完全には用意は完了していないが、ほぼ準備するものは揃った。
ホームページ、配布用チラシ、名刺、家に飾る看板、お土産(オリジナル手拭い、靴下)などだ。

そして先週から徐々にホームページやフェイスブックなどSNSでご紹介を始めているが、やはり反応として良いように思う。

今のインバウンド観光で必要なのは体験、そして特にきちんとした日本文化を味わえることが重要だ。

手前味噌になるが、我が家の松風庵ではプライベートの予約しか受け付けないので、他人に気にすることなく、家族、友人とだけでゆったりとお茶の文化体験をしてもらえる。

今回、松風庵で気をつけたのは、観光お茶体験にならないことだ。

京都や東京で形だけ、お抹茶を飲むサービスがたくさんあるが、それでは日本文化のお茶を体験することにはならない。

またもう一つ大事なのは時間をかけてゆっくりと説明をする、質問を聞く時間を取ること。

1日に何組も予約を受け付けているところもあるが、これは商業ベースで考えれば致し方ないことだ。しかしそれでは結局、時間を気にして伝えたいことも伝えきれない。

英語でお茶の説明をするのにはとても時間がかかる。

単に薄茶とお菓子を食べることは日本の茶文化を知ることにはならない。

まずはそこに至るまでの茶室への入室が大事。

その入室で本当の自然に囲まれた中で、白い靴下を履き、露地草履を履いて、腰掛け待合でしばし心を落ち着ける。そしてつくばいで手を清めてから、躙口から入室する。

これをするのとしないでは全く違う体験と言える。

こういうことはやると薄茶一杯飲むだけでも、最低90分はかかる。

だが、価値は必ずあると確信している。

なぜなら、日本人ですらお茶を習っていない人が体験で我が家でお茶を飲むととても喜んでいただいた。

それで15000円は高いと思う方もいるだろう。

しかし、私の海外の友人からは安い、Good Priceという意見だ。

これは米ドルで100ドルだからだろう。

日本人にとっての15000円とアメリカ人の100ドル、全然価値が違うようになってきたことを実感する。

つまり、日本人は絶対に参加しないだろうということだ。

teaforinnerpeace.com

インバウンド茶道体験ツアーそろそろ開始です!

ようやく、我が家の茶室の改修がほぼ終わりました。

今回は本格的な茶事を楽しめるように躙口に雨がかからないよう屋根をつけました。

また躙口の扉や畳を新調して、来月の炉開きに備えることができました。

またインバウンドツアーについては12月スタートに向けて、今月末までにホームページ、チラシなどを完成し、決済もスクエアでネット決済ができるようにしたいと思っています。

今日はちょうど届いた夜の茶室用のライトや蝋燭を試してみました。

やはり夜のお茶室は雰囲気がいいです!

正統派の茶道では夜のお点前は夜咄という茶事しかなく、あまり一般的ではありませんが、幻想的な和蝋燭の揺らぎをみながらいただくお茶は格別だと思います。

正式なコースや料金は後日お伝えします。

エスコンフィールドはこれから求められる企業経営の縮図だ。

昨日、北海道北広島市にある日ハムの本拠地エスコンフィールドに初めて訪れた。

私の学生時代の友人が建設プロジェクトメンバーで、アンビシャスという本で紹介されている。

そこで、彼に昨日試合終了後に球場内外を案内してもらった。

この球場は選手、観客だけでなく、従業員にも、そして地域住民のため、全てのステイクホルダーの為に作られた施設だった。

昨日説明を聞きながら、昔、授業で会社は誰のものかという議論をしたのを思いだした。

日本やヨーロッパのMBAではその当時は会社は顧客、従業員のものだという考えが大勢を占め、アメリカでは株主のものだという議論が当たり前だった。

全てのステークホルダーを幸せにすることは不可能だ。しかし、最初からビジネスモデルとその受け皿をきちんと用意すれば可能では無いかと考えさせられるエスコンフィールドだった。

私はラッキーにも実際に施設で野球観戦、施設案内、説明を聞く事で実感できた。

このエスコンフィールド見学ツアーは今の経営者には必須では無いだろうか、

お金の損得勘定は人間らしい

久しぶりに大阪に仕事で向かうため、小田原駅にいる。

新幹線でコーヒーを飲もうと駅のセブンイレブンで110円のドリップコーヒーを買う。以前キーコーヒーの社長が100円で素晴らしい味だと絶賛したのを聞いて以来、スタバよりテイクアウトの時はいつもセブンイレブンで買っている。

確かにスタバのロースト感はないが、全然ありだと思っている。

しかし、今日買ってから、何げにセブンイレブンのアプリを見たらなんと、コーヒー無料のクーポンがあったのだ。

いや、これを見た時の損失感はなんとも言えないものだった。

たかが、110円、スタバを買っていれば330円。

しかし、この損した気持ち。これが人間なんだろう。経済行動学てやら、難しい名前がついた学問が流行っているが、昔から人間は感情で動いてるのだ。

値段そのものの、高さではなく、払わなくても良い金額を払うのはもったいないと感じる。

これは株式投資でも同じだ。

買った金額より儲かっていても、売り抜けたあとに株価が上昇したら、あー損したと嘆いてしまう。これが人間。常に腹八分、欲張らないのが大切だと感じながら、ポイントが今月末でも切れるから久しぶりに無料でグリーン車に乗りながら、家の近くのスーパーで買った48円の水と一緒に大阪までゆっくり向かいます。

新たなスタートに向けて準備中です!

今のSNS販促にはなかなか追いつけないことを実感

このブログも随分と更新をサボっておりました。ほんの一握りの読者の皆さんには申し訳ありませんでした。

以前から計画をしていた自宅の茶室での主に外国人に向けた茶事体験教室の準備が本格的になってバタバタしておりました。
まだ、茶室廻りの庭、躙口廻りの改修や畳の表替えなどが残っておりますが、大体の用意はできてきたかなと。また体験メニューも試行錯誤を続けながら変更していこうと思っているのであまり固定せずに、いわゆるアジャイルにメニュー開発をしていければと思っています。

そして今はこの茶事体験教室の販促を考えているのですが、やはり時代の流れは凄まじく感じています。私がこれまでの小売業界で得意としてきたマーケティング販促はもはや通用しないことを痛感しています。確かに基本的なマーケティング戦略の策定などは問題ないのですが、いざ集客するとなった時には、CM,チラシなどのメディア販促は全く通用しないことを痛感しています。

特に私の始めるビジネスはニッチのマーケット(主に富裕層の外国人旅行客で茶道に興味を持っている人)に向けた販促の場合、マスメディアではなく、ニッチでもリーチできるようなメディア販促が必要となります。それにはまず高年齢層が主体のFacebookをメインに、そこにInstagram、そして外国人の場合はLINEではなくWhatsAppやWe Chattと連携しなければいけません。最近ではTikTokを見ている人も多いので、SNSのメディアミックスでリーチをする必要があります。

そして、リーチできたターゲットにAIDMAで言うところの興味(Interest)欲求(Desire)を引き起こすための解説のためのホームページが必要です。

そして顧客自らが良かったと体験談を拡散してもらうための仕掛け作りも必要なんです。

というふうに、こういうことは大体わかるのですが、ではそれをどのようにSNSを使いこなして販促を実際に行うのかは私にはノウハウがありません。

年代、性別、収入、国籍で行う販促は変わってきますが、この一連の流れをうまく流していけるかどうかがポイントになるのではないかと。
私が若い頃に百貨店の販促をしていた時からすでに25年近くが経ちました。
もはや過去の成功体験は通用しません。しかし原理原則は変わっていません。それを守りながらいかに今の時代にあったSNSマーケティングを行うかが大事だなと思います。

百貨店や事業会社の経営に携わっていた時には戦略の策定、チェックで良かったのですが、今は個人事業主として戦略、戦術、運営、作成まで1人で行なわないといけません。

時代の流れを痛感するとともに、新しいことを吸収することの大切さを見に沁みています。

シンガポールでもそうでしたが、なんでも成功するまでやるというのが自分には欠けていたのかなと反省しています。
今回は成功するまで続ける覚悟です!

大企業にはできないことをやることが大切

これまで大企業に36年勤めてきた。そして今はフリーランサー。企業人の時は取締役にもなれていろんな経験をさせていただいた。しかし思えば、毎日収益をいかに上げるか、投資家から評価されるかに追われてきたように思う。そしてやはり夢は会社のトップになることだったように思う。
結局は収益を上げることにいかに貢献できたか、事業を成功させることができたかを必死にやってきたように思う。

確かに売上を上げるためにはお客様に支持されることが大前提だ。しかし、顧客満足と効率化を同時に達成しなければいけない。そうするとどうしても顧客サービスの限界が訪れる。

それをDXで実現しようというのが今のトレンドであろう。

しかし本当にDXで顧客満足の最大化を図れるのだろうか?

私にはそれはやはり詭弁のように思ってしまう。確かに企業として追求すべきはその道であろう。なぜなら企業は毎年収益を伸ばし続けなければいけないからだ。

DXで本当に皆が喜ぶのか?今のマイナンバー制度なども若い世代には全く問題ないが、70.80代に厳しいだろう。リスキリングも老人には限界はある。

人気の米イェール大学の成田悠輔氏(38)の「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」という主張が、米紙『ニューヨーク・タイムズ』でとりあげられ、炎上している。
こういう自分も老いていくことを自覚できないスノッブな人間が極端な意見を発信するのだろう。

一方で、ママパパストアだったら、どうだろう。顧客満足最大化のために精一杯できることをやり、収益は自分たちが生活できる範囲でいいと。毎年どんどん収益を上げるはしたいけれども、お客様の笑顔が一番のやりがいだと。

こういう若者が東京から移住してきて、私の家の周りで店を出して頑張っている。

これまでは切り捨てられてきたような中小事業者にスポットがあたる時代が来たかもしれない。

事業にも2極化が来ているのかもしれない。大企業と零細企業。

でも零細企業は大企業にはできない、一見すると無駄に思えるビジネスモデルが顧客満足の最大化を生むのかもしれない。

マイケルポーター戦略論では差別化、集中化、コストリーダーシップが大事という。

これらは中小事業者にも実現できることばかりだ。

例えば、私が今やろうとしている、富裕層の外国人旅行者向けの茶道体験教室がそうだ。
このビジネスはどんどん成長はしない。売上もすぐに限界がくる。でも家族だけでやれば、賃上げを気にしなくても良い。でもニーズはいっぱいありそうだ。我が家のある真鶴のツーリズムと本当の茶事体験をセットにしたプライベートな体験サービスなんて大企業は絶対にやらない。マーケットは小さい、でも少なくていいのだ。自分たちが食べれるだけの収入があれば。

だから差別化できるし、小間での茶事に集中したサービスを行う。このビジネスにコストリーダーシップは必要ない。なぜなら競合は少ないからだ。